静かな夜

静かな毎日


遠くで 車の音が聞こえる


家の中は


空気清浄機の音と


ぽっぽくんとぷーくんの 寝息


静かだ


耳の奥では


奈里ちゃんの笑い声


パパを呼ぶ声


奈里ちゃんの作る料理の音 匂い


脳が覚えている


だから


脳を麻痺させるために 酒を飲む


飲んで飲んで飲んで飲んで


脳が麻痺するまで飲む


どうして こんなことに なってしまったのか


あの 前の日まで


幸せだったのに


最近 あの日のことを思い出す


奈里ちゃんに 心臓マッサージをした日


必死だったあの日


思い出すと 心拍数が上がる


心臓が悲鳴をあげている


そろそろ限界かな


なんて思いながら


寝てしまうと


また 朝がくる


その繰り返し


今日は ちょっと 精神的にまずい


何とかしなくては


家の中が 静か過ぎるからかな


ただ あまりTV見たくないから


仕方ない

生きる意味

奈里ちゃんが大好き


ずっと大好きなのに


伝わらない


あの日から


一方通行


究極の片思い


と 書いてる時に


ぽっぽくんとぷーくんが


膝の上に やってきた


いつも思うんだけど


悲しみに浸ってる時


この子たちが 寄ってくる


分かってるのかな



肉球が暖かい


癒される


奈里ちゃんは


パパが悲しみに負けないよう


この子たちを 家族にしたのだろうか


今となっては 分からないし


知りようもない


とにかく


癒されている


この子たちのために


生きよう


この子たちは


きっと


パパより先に死ぬのだろう


病気になるのかもしれない


寝たきりになるのかもしれない


だからこそ


この子たちのために


生きよう


それが パパの生きる意味


かな


自分のこと じゃなく


奈里ちゃんが


愛した


この子たちのために


と 思う

前向きに泣く

昨日 泣きながら思ったこと


声を出さないように


歯を食いしばって


泣いている


家の中だから ワンコ以外誰もいないのに


静かに泣く必要はないよね


と思って


大声で泣いた


叫んだ


涙があふれてあふれて


気が狂うほどに泣いた


そこで気づいた


パパは泣いていたいんだ


毎日 泣いていたい


なんて後ろ向きな考えだ!という人もいるかもしれない


でも 泣きたいんだ


毎日毎日 何年も 何十年も


泣いて過ごしたい


奈里ちゃんが 死んでしまったことを


悲しんで生きていきたい


そう思ったら


心が 少し軽くなった気がした




よーし!


毎日泣くぞ!